10期早稲田環境塾第「原風景への旅」目的といきさつ

ダライ・ラマへのインタビューと東日本大震災 早稲田環境塾第10期の課題を「原風景への旅―文化としての環境日本学の探求」と定めた。2007年8月9日から毎日新聞朝刊に1頁大でのべ30回連載中のルポルタージュ「新日本の風景」をテキストとした。(2015年 日本新聞協会広告賞受賞)

東北、北陸、関東の各地に日本文化の基層、及び日本人の環境意識と自然観を映していると思われる自然と人の営みを求めた。
取材の動機の第1は、厳冬のインドヒマラヤ山地ダラムサラムでのダライ・ラマ14世へのインタビュー(2007年2月)とチベット仏教僧群の暁の祈りの光景である。その経緯は中尊寺での原塾長の講演「風景が心を耕す」(「講義を理解するために」に収録)に記した。
2011年3月、連載の最中に東日本大震災と連動した東京電力福島原発のメルトダウン事故が発生した。この時の日本人、地域社会の意識と行動の原型が、特徴のあるその風景の現場から露呈してきた。

精神形成の空間としての原風景 「特徴ある風景」とは、奥野健男がその著書「文学における原風景」(集英社 1972)で規定した「自己形成とからみ合い、血肉化した、深層意識」を思わせる風景である。このような問題意識から「新日本の風景」は原風景の探求に向かわざるを得なかった。
3月に開講する第10期早稲田環境塾では、30カ所のフィールドから8つの現場を紹介する。
抜粋篇では連載番号12の「イザベラバード、感動の旅」と同11の「朱鷺・文化の舞」を例示した。目次に10期塾の講義が対象とする8か所と全取材箇所名を新聞連載順に記した。

文化としての環境日本学の探求 10期塾は2008年の塾発足このかた、10年間におよそ150回開催された塾の講義と2つの実践プロジェクトの成果に支えられている。第1に、有機無農薬農法と生産者・消費者提携の原点である山形県高畠町のたかはた共生塾との協働作業、第2に北海道有数の鮭川、そして日本一の酪農地帯である西別川流域(標茶、別海、弟子屈町)で「虹別コロカムイの会」の「シマフクロウ100年の森作り」への参加から学んだ文化としての環境日本学の可能性への展望に支えられている。特別な構成のため、原剛早稲田環境塾塾長と佐藤充男カメラマンの現場取材者が講師を勤める。

連載は記事を原剛塾長、写真を塾生の佐藤カメラマンが担当した。テキスト作成に当たり、版権の関連から毎日新聞とJR東日本に協力いただいた。感謝申し上げる。

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